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アルゼンチン

アルゼンチン


アルゼンチンの友人と飲んだ時の話。

彼女の父親はアルゼンチン軍の将軍だった。
母親も仕事を持っていて、二人して贅沢もしないで
老後に備えてコツコツと貯金をしてきたらしい。

そしてリタイアして悠々自適な生活を送り出した矢先、
いきなり政府が国民の貯金を押さえるという事件が起きたそうな。

アルゼンチンはここ数年景気が随分悪かったようで、
詳しい経緯・政策は知らないが去年の１２月から
銀行の個人預金を引き出せなくしてしまったらしい。

『景気が回復したらまた自由に預金を引き出せるようにする。
これは一時的な事』と、政府は国民に説明。

でも多くの国民が、もう半永久的に
預金は戻ってこないだろうと考えていると言う。

『じゃああなたのご両親はどうやって生活しているの？』と聞くと、
少しばかりの年金はおりているとの事。

あと、アメリカに住んでいた頃に、
アメリカ国内の銀行に少しばかりのお金を
預けたままにしてあったらしい。

リタイア後の生活の為に頑張って貯金してきたのに
差し押さえられてしまい、年金だけでは医療費もままならない状況、
彼女のお父さんは政府相手に訴えたそうな。

結果、月々１５００ドルまでは自分の貯金から
引き出しても良いという判決が出た。

彼女も話していた通り、彼女の父親はラッキーだったようだ。
長い間軍人として国に仕えてきたのが良かったのかも知れない。

政府相手に訴える人は他にもいるか、
裁判にもならないケースが多いらしい。

もちろん彼女のお父さんにしても納得できる判決ではないけれど、
他の人に比べたらとても恵まれていると認めざるを得ない。

税金が高いだのと、なんだかんだ文句を言いつつも、
今の私達の状況、恵まれている方なのかもね・・・